上場するとは?種類・メリット・デメリットを上場経験者が語る

経営

上場するとは、証券取引所で株式を売買できる資格もらうことです。

独立する決心もついて、会社登記も完了した貴方は、希望に満ち溢れていると思います。

夢にまで見た自分の会社で独立です。

ワクワクする気持ちが止まらないと思います。

「頑張って売上を上げて事業を大きくするぞ!」
「会社を作ったからには上場を目指そう!」

そのように自社の成長目標を掲げるのはとても素晴らしいことです。

そして、このようにも考えていると思います。

「上場する」=「大成功」=「大金持ち」

結果としてお金持ちになる可能性は高いと言えますが、上場はお金持ちになるための手段ではありません。

では「上場する」とはどういうことなのでしょうか?

この記事では 上場について書いています。

当事者の一人として上場経験2回、間接当事者として上場経験複数回、会社設立や組織変更を自ら行った経験複数回(たぶん10回以上)を通じての考えです。

会社の目標を考える上で一つの参考になればと思います。

上場の審査基準など、上場に関する基準・要件・法律・等々に関することについては、必ずご自身で当該機関に確認をしてください。

上場する

IPO_tokyo

「上場する」というのは漠然としているので、「上場をする理由」と「上場したらどうなる」の二つに分けて説明します。

上場をする理由(目的)は資金調達です

上場本来の目的は資金調達です。

上場すればお金持ちになれる!

そこから考えが始まっている人もいると思います。

お金持ちを目指すことは悪い事ではありませんが、上場本来の目的からすると大分違います。

会社が事業を拡大していくためには、研究開発やマーケティングや資材原材料の購入や設備などへの先行投資が必要な場合があります。

手元の資金だけでは不足する場合に、自社の株式を発行し、それを他企業や他人に購入してもらうことで資本金を増やす、つまり資金調達をする。

それを証券取引所で行えるようにするために、証券取引所が定めた審査基準を満たし、証券取引所で株式を売買できる資格もらうことを「株式を上場する」と言います。

上場しなくても自社で発行した株式を他企業や他人に買ってもらうことはできる

直接本人や企業に連絡を取って買ってもらえば良いのです。

しかし、実際は簡単ではありません。

株式を買うということは、その会社に投資をして、将来の利益を期待することです。

投資した会社が倒産したり、赤字だったり、配当が無かったりですと、株式を購入した投資企業や投資家は損をしてしまいます。

つまり、それだけ投資対象となる会社が行っている事業に、将来性のあることが必要です。

短期間で上場する会社は事業収益よりも投資が先行する場合が多く、上場の前に投資家や企業から資金調達をして資本金に組み入れていることが多いです。

それだけ、緻密で実現性のある事業計画と社会に提供できる価値を明確にしているからです。

その後、更なる事業拡大のために資金調達目的で上場を目指します。

上場するとどうなる

証券取引所を通じて、証券取引所の定めたルールに従い、一般投資家や企業や機関投資家が市場で自由に上場した会社の株式を売買できるようになります。

詳しくはメリット・デメリットとして後述したいと思います。

上場の種類とは取引所の市場です

tokyo stock exchange

会社を上場するとは、株式の取引所でその会社の株式を売買できるようにすることだと説明しました。

取引所はいくつかあります。

それを「上場の種類」という言い方をする人が多いですが、本当は「どこの市場=取引所」というのが正解です。

日本には、東京証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所、の4つがあります。

そして、それぞれの取引所の中に複数の市場があり、 上場審査基準が違います。

東京証券取引所

1部、2部、マザーズ、JASDAQ、TOKYO PRO Market、の4つの市場があります。

正式名称は東京証券取引所です。
株式会社日本取引所グループの子会社です。

日本最大の証券取引所です。日本取引所グループ(東京証券取引所と大阪取引所)としては世界3位の市場規模で、約570兆円あります。

1位はニューヨーク証券取引所(3010兆円)、2位はNASDAQ(1090兆円)です。

市場第一部

東京証券取引所と名古屋証券取引所にあります。

厳しい審査基準を満たした大企業や中堅企業が上場する株式市場です。

市場第一部と市場第二部のことを「本則市場」と言います。

東証一部、東証二部、名証一部、名証二部、などと呼ばれます。

市場第一部は決算期毎に「上場証券の市場第一部指定銘柄指定基準」に適合している銘柄のみが上場でき、上場を維持できます。

項目市場第一部形式要件(一部分のみ記載)
株主数 (上場時見込み)2,200人以上
流通株式(上場時見込み)a.流通株式数 20,000単位以上
b.流通株式数(比率) 上場株券等の35%以上
時価総額(上場時見込み) 250億円以上

※参考:日本取引所グループ上場審査基準概要一部

市場第二部

通常、新規上場株が指定される市場です。

発行株式数、株主数、時価総額、純資産、利益、設立年数、等々、が一定の基準を満たせば第一部市場に指定されます。

「市場第一部銘柄から市場第二部銘柄への指定替え基準」に抵触した場合は、第二部銘柄に指定替えされます。

項目市場第二部形式要件(一部分のみ記載)
株主数 (上場時見込み)800人以上
流通株式(上場時見込み)a.流通株式数 4,000単位以上
b.流通株式時価総額 10億円以上
c.流通株式数(比率) 上場株券等の30%以上
時価総額(上場時見込み) 20億円以上

※参考:日本取引所グループ上場審査基準概要二部

マザーズ

多くの企業に資金調達の場を提供する為に作られた市場です。

その為、対象とする企業について、規模や業種などによる制限を設けていません。

近い将来、市場第一部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。

つまり、将来の成長性が見込めない会社は当然申請基準に及びません。

申請会社には「高い成長可能性」が求められています。

申請会社が高い成長性を有しているか否かについては、主幹事証券会社がビジネスモデルや事業環境などを材料として判断します。

私が人生で初めて当時の仲間たちと共に上場の経験をした市場です。

項目マザーズ形式要件(一部分のみ記載)
株主数 (上場時見込み)200人以上(上場時までに500単位以上の公募を行うこと)
流通株式(上場時見込み)a.流通株式数 2,000単位以上
b.流通株式時価総額 5億円以上
c.流通株式数(比率) 上場株券等の25%以上
時価総額(上場時見込み) 10億円以上

※参考:日本取引所グループ上場審査基準概要(マザーズ)

JASDAQ

コンセプトは「信頼性」「革新性」「地域性・国際性」の3つです。

どちらかというと老舗企業向けの「スタンダード」と、成長企業向けの「グロース」というカテゴリがあり、それぞれに審査基準があります。

かつては店頭市場と呼ばれていました。

この市場で公開された株式は証券取引所ではなく、証券会社という「店」で売買されていたからです。

「株式会社ジャスダック証券取引所」でしたが、大阪証券取引所と合併の後、東京証券取引所に運営が移管されました。

項目スタンダード形式要件(一部分のみ記載) グロース形式要件(一部のみ記載)
株券等の分布状況
(上場時見込み)
a.公募または売出株式数が1,000単位又は上場株式数の10%いずれか多い株式数以上
b.株主数 200人以上
同左
流通株式時価総額
(上場時見込み)
5億円以上同左
純資産の額
(上場時見込み)
2億円以上
利益の額又は時価総額
(利益の額については、連結経常利益金額に少数株主損益を加減)
次のaまたはbに適合すること
a.最近1年間の利益の額が1億円以上であること
b.時価総額が50億円以上

※参考:上場審査基準概要(JASDAQ)

JASDAQスタンダード

新規上場には事業規模や実績に基準があります。

新興企業というよりも、老舗企業が中心です。

約680社が上場しています。

JASDAQグロース

成長の可能性を審査されます。

成長の可能性が認められれば、赤字でも上場することができます。

新規上場の実績基準に利益要件は無く、純資産もプラスであれば要件を満たします。

約40社が上場しています。

TOKYO PRO Market

取引できるのはプロ投資家のみです。

投資判断の自己責任が徹底している「自由設計市場」と言われています。

その為、他の市場と比較して、上場審査基準が緩和されています。

また、上場企業は、内部統制と四半期毎の業績開示が免除されています。

以下の3つのミッションがあります。

  • 機会の創出
    日本やアジアにおける成長力のある企業に新たな資金調達の場と他市場にはないメリットを提供する。
  • 健全は発展
    新たな投資機会の創出による日本の金融市場の活性化と、市場を活用する企業の健全な発展を目指す。
  • 国際化
    海外企業が上場しやすい環境の提供と、海外投資家への新たな投資機会の創出により、日本の金融市場の国際化を図る。

2008年の金融商品取引法により導入された「プロ向け市場制度」に基づいて創設されました。

上場に際しての形式基準(数値基準)はなく、J-Adviser制度を導入しています。

J-Adviserが調査・確認する上場的確性要件は以下のとおりです。

詳しくは日本取引所グループのWEBサイトを確認してください。

上場的確性要件
上場申請者が、東京証券取引所(以下「東証」という)の市場の評価を害さず、東証に上場するに相応しい会社であること
新規上場申請者が、事業を公正かつ忠実に遂行していること
新規上場申請者のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が、企業の規模や成熟度等に応じて整備され、適切に機能していること
新規上場申請者が、企業内容、リスク情報等の開示を適切に行い、この特例に基づく開示義務を履行できる態勢を整備していること
反社会的勢力との関係を有しないことその他公益又は投資者保護の観点から東証が必要と認める事項

※参考:日本取引所グループTOKYO PRO Market 上場基準

セントレックス

名古屋証券取引所にある市場です。

近い将来の本則市場(市場第一部・第二部)へのステップアップを視野に入れた成長が期待される企業向けの市場です。

成長が期待される企業に資金調達や企業知名度の向上の機会を提供します。

上場時の時価総額基準は3億円以上です。

マザーズの10億円と比べても大分低いので、マザーズよりもアーリーステージの成長過程にある企業の上場が可能です。

以下は上場申請要件の主な3つを書いています。

詳しくは名古屋証券取引所のWEBサイトを確認してください。

項目セントレックスの上場申請要件(一部分のみ記載)
株主数(上場時見込み)200人以上(※上場時に500単位以上の公募・売出しを行うこと)
上場時時価総額
(上場時見込み)
3億円以上
売上高高い成長の可能性を有していると認められる事業の売上高が上場の申請日までに計上されていること

※参考:名古屋証券取引所

アンビシャス

札幌証券取引所にある市場です。

近い将来における本則市場へのステップアップを視野に入れた中小・中堅企業向けの育成市場です。

上場時の時価総額は審査要件は必要とされません。成長性に関する推薦書や株主数等を緩和し、公募を要件としない、等々、新興企業が最も上場しやすい市場です。

対象企業が限られており、以下の要件があります。

アンビシャスの対象企業
成長が見込まれる中小企業
案手的な成長をつ透けている中小・中堅企業
北海道と何らかのつながりを有している企業

※参考:札幌証券取引所アンビシャス市場について

Q-Board

福岡証券取引所にある市場です。

九州周辺に本店を有する企業または吸収周辺における事業実績・計画を有する、新しい技術又はユニークな発想に基づき、若しくはその他の理由により、今後の成長の可能性があると認められる企業が対象です。

項目Q-Boardの上場申請要件(一部分のみ記載)
株主数(上場時見込み)200人以上(※上場時に500単位以上の公募・売出しを行うこと)
流通株式(上場時見込み)及び公募等の実施(500単位以上の公募)
上場時価総額
(上場時見込み)
3億円以上
売上高成長可能事業の売上高が計上されていること

※参考:福岡証券取引所上場審査基準の概要

上場した時の会社側のメリットを知る

上場した時の会社側のメリットを知る

社会的信用が上がる

「株式を上場した」ということは、「会社の信用が株式公開に値している」ということです。

その会社は、上場基準に沿った「 財務状況や将来性や社内倫理」があるのですから当然です。

「上場した」という事実によって会社の社会的信用が格段に上がります。

社会的認知度が上がる

上場すると様々なニュースや媒体に少なからず記事が載ります。

新聞の上場企業株株価一覧にも社名が掲載されます。

業界関連の情報やその業界のサービスを利用している会社や個人には、比較的すぐに知られると思います。

広告費用を自社で払ってこれだけのことをやろうとすると、とても大変ですが、上場することで、会社の商品やサービスや社名が報道されます。

取引先からの信用が上がる

上場することで会社の財務状況は四半期ごとに公開されています。

既存の取引先や新規取引先からの信用・信頼性が向上します。

資金調達し易くなる

「株式を上場している会社」=「上場基準を満たしている会社」=「金融機関からの信用力向上」です。

金融機関からの融資に際して、上場前よりも良い影響があります。

上場前は資金調達といえば借り入れに頼ることが多いです。

しかし、上場すると新規株式を発行して市場から資本金として資金調達をすることができます。

経営体制が整う

上場基準を満たす経営ができる体制を整えています。

上場をしているということは、株式が広く一般に流通することです。

上場会社は、社会ルールを守ることができるように、経営体制を整えます。

法令順守、内部統制機関設計、社内倫理規定、等々、不正や不慮の事故をできるだけ防ぐような経営体制が築かれます。

社員のやる気が上がる

大きくもあり、明確でもある「上場」という目標できると、会社に関わる全員がやる気を持ち、 一丸となってくれると思います。

また、上場前後に関わらず、あらかじめ決めた価格で将来株を買い取る(株価が上がっていれば利益となる)ストックオプション制度や、従業員持ち株制度の導入が働く意欲向上に貢献します。

人材を確保し易くなる

「株式を上場しているという信用力のある会社」「非上場の会社」

この二つを比べた場合、就職を考えている人にとっては上場企業の方が魅力的だと思ます。

外部人材を求めている場合でも、相手はやはり信用のある会社と取引をしたいと思うでしょう。

但し、サントリーやJTBや佐川急便など、広く世間で知られている大企業あっても上場していない場合もあります。

創業者利益がある

会社上場して億万長者になれる!

世間ではそのようなイメージですが、皆がFacebookのマークザッカーバーグのようになれるわけではありません。

どういうことかを説明します。

社長は大抵の場合に自己資金で資本金を賄って創業しています。

これが1000万円だとしても「株価=出資額と同じ」ですので、スタート時は何の絵利益も出ていません。

その後、会社の財務状況が悪いと株価は出資額以下に下がりますので、損をする可能性もあります。

しかし、上場するとなると、事業が上手く回っており、更なる将来の成長が見込めるということになりますので、1000万円で作り出した価値が、何十億円、何百億円、だと評価されることがあります。

これが上場後に億万長者にされるかもしれない理由です。

大きな価値の付いた株を、その額面で売れば、差額は利益となります。

しかし、創業社長は往々にして、会社を大きくするまでに借金もしていますので、借金返済でそれほど儲からないこともあります。

また、創業社長が保有している株を全て売ってしまうことは余りありません。

市場から見れば、会社の所有権を誰かに売るということであり、経営から退くということです。

創業社長の手腕があったから事業が成長して、上場して、株価が付いたのに、その人が辞めると分かったら、株価は一気に下がりますよね。

従って、上場直後は必要な分だけ少しづつ株を売るというのが大概のケースです。

従業員がローンを組みやすくなる

会社の信用度が上がるので、そこで働く従業員が自宅を購入するときなど、銀行からの融資を受けやすくなります。

上場した際の会社側のデメリットを知る

上場した際の会社側のデメリットを知る

上場にはデメリットがあります。

その為に、簡単に上場の条件を整えることができる大手企業でも上場しない会社があります。

例えば、サントリーホールディングス株式会社、株式会社竹中工務店、株式会社小学館、株式会社ロッテ、YKK株式会社、アサヒ飲料株式会社、株式会社JTB、等々、まだまだあります。

外部株主からの意見で経営を左右される

株式を上場すると、一般に株場流通します。

当然、株主を選ぶことはできませんので、経営者とは違う考えを持つ人や企業が株主にあることもあります。

一定数以上の株主が経営者と違う意見を頚絵に反映させるように要望があり、株主総会で決議された場合は、経営に反映させなければなりません。

起業として長期的な利益を求めて事業投資したくとも、一定数以上の株主が短期的な利益を求める場合などです。

経営の自由度が下がり、完全な独立性を保てなくなります。

買収されるリスクがある

特定の株主に、株主総会での拒否権や単独決議を可能にする程に株を買い占められると経営権を奪われる場合があります。

更に買い占められると、すべての議案を単独で決済できるようになり、買収されることになります。

上場維持にコストがかかる

監査報酬、株式事務代行手数料、配当金支払、適時情報開示、株主総会運営、等々に加えて年間上場料も支払う必要があります。

規律が増え、管理することが増えます。

それに伴う金銭的コストや時間的コストが発生します。

りそな銀行の資料ではマザーズで約1億3000万円と書かれています。

※参考:りそな銀行

年間上場料と新規上場や市場替えに伴う費用については、株式会社日本取引所グループWEBサイトに詳しく書いてあります。

※参考:日本取引所グループ株式会社(新規上場ガイドブック

四半期ごとに決算を発表しなければならない

上場していなければ年に一度で済みますが、上場していると三ヶ月ごとに決算を発表しなければなりません。

全社で情報を集約しなければならない為に、なかなかの負担です。

ヨーロッパでは、四半期開示がかなりの手間になる、本当に意味があるのか、という意見もありました。

英国は2014年、フランス・ドイツにおいては2015年に法律上の四半期開示制度の義務が廃止されました。

その結果、透明性指令の決算開示は年次と半期の年2回となっています。

※参考:金融庁資料

株価の変動が会社の信用に影響する

「株価=企業の信用度」のモノサシとして見られる傾向があるために、株価が下がると会社の信用を低く見られます。

株価は市場心理で下がることがあります。

自社の信用や業績に影響が出た実際の価値以上の幅で下がってしまうこともある為です。

社会的責任が増す

上場すると利害関係者が増えます。

その企業の株を所有する個人・企業・団体、等々です。

会社法には以下の記述があります。

(株主の権利)
第105条  株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。

一 剰余金の配当を受ける権利
二 残余財産の分配を受ける権利
三 株主総会における議決権

2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の前部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。

会社法:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=417AC0000000086

議決権を持っている人が大勢いるということは、それだけ多種多様な意見や考えを持った人々が株主になるということであり、社会的な責任が増すことになります。

また、会社としての行動を決める最高の意思決定機関は株主総会ですが、経済活動を行っている地域が発展して豊かになれば、会社も発展して豊かになるとも考えられます。

そのようなことを、「企業の社会的責任」と言われたりします。

まとめ

上場は資金調達が目的です。

金持ちになる為ではありません。

金持ちは結果としてついてくるオマケの様なものです。

つまり、上場には、メリットデメリットがあるものの、細かいことは本質ではありません。

株式会社であれば、上場を目標にするのは良いことだと思います。

そもそも、「なぜ株式会社を設立したのか?」と考えてみてください。

それは「事業を大きくするため、資本を他人から集める為」です。

資金調達を考えていないのであれば、株式会社でなくてもよかった、ということになります。

但し、事業を発展させる上で、どうしても譲れない考え方があり、それが自社の強みとなっている場合などは、サントリーや竹中工務店のように、上場する必要はないと思います。

会社が上場を目指し、上場審査に手が届きそうになると、驚くほど社内は一丸となります。

これは、過去の事業を一切捨てた会社で、事業を0から立ち上げて、その事業を軸に上場を目指し、その会社の仲間達と上場した経験のある自分だから言えることかもしれません。

従業員が増え、仕事が増え、寝る間もない位に忙しくなります。

従業員同士は同僚という関係から、仲間に変わり、お互いに色々なものを我慢して、あきらめて、上場を目指す自社の仕事をやる選択をしているから頑張ります。

そのような状況では、問題が頻繁に発生し、他人への不満や意見の対立などが頻繁に起こります。

問題を乗り越えなければ上場はできません。

その為には、何を我慢して、何をあきらめて、何を選ばなければいけないか、従業員全員が真剣に議論するようになります。

嫌なら会社を辞めればいいのですが、そういう人を僕は見たことがありません。

上場後に入社した人は、辞めていく人もいました。

大きな目標を目指すということは、そういった協力と団結を生み出します。

それは会社と事業を強くすることにつながり、社会貢献につながります。

起業したなら、是非とも上場を目指してください。

関わった全員にとって、かけがえのない経験になると思います。

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